2004-12-08 ■ 読書 国民の歴史 近代史の面白さが群を抜いている。 以下引用 昭和二十年(一九四五年)三月二十日の東京大空襲に際し、『ニューヨーク・タイムズ』の特派員は、住宅地無差別爆撃はアメリカ市民に、ナチスのゲルニカ空襲の犯罪性を思い出させ、かえって危ういことになると空軍当局に警告した。しかしアメリカ市民は、黄色人種の大量殺戮に道徳的反応を示さなかった。小磯首相はラジオを通じて、殺人目的のこの襲撃はもはや戦略的目的を持っていない破壊のための破壊であると非難した。ゲルニカの死者は三千人だが、東京は一夜にして十万人を失ったのである。